[募集]ZINE『遠くの山』へ文章や語りを寄せてくれる方を募集します。


『遠くの山』は、様々な人の人生の一端を綴るアンソロジーZINEです。2025年秋に発行予定。そのZINEに掲載する、興味のある人から聞いた「目の前のあなたになるまでの話」を募集します。自身の言葉をまとめたものではなく、興味のある人に話を聞きに行き、その人(語り手)から聞いた話を集めます。


「目の前のあなたになるまでの話」とは、
例えば、
・生まれ育った土地での思い出
・近しい人たちとの思い出
・子どもの頃に見た印象に残っている風景や忘れられない遊び
・どんな仕事をして何を感じてきたのか
・趣味やそれによって広がった生活のこと
など。語り手が話したいと思える範囲で構いません。

目の前のあなたになるまでの話であれば大きな出来事の有無は問いません。
その時々の日常を覗くような気持ちでお話を聞いていただくと良いように思います。
話し慣れている出来事だけでなく、その周りにある(ご本人にとっては)些細な話も溢れてくると楽しいなと思います。


「目の前のあなたになるまでの話」は、以下のどちらかの状態のものを募ります。
①興味のある人から聞いた話を、その人の「1人語り」になるように編集した3000字程度の文章。
②興味のある人から聞いた話を録音した音声もしくは書き起こしまでは終わった文。

 →続きの作業(書き起こしや編集)はこちらで行います。日本語のみ対応できます。方言  などの理由によりこちらでは書き起こしや編集ができない場合もありますので、音声を聞かせていただいてからできるかどうかの判断をさせてください。

文章作成まで担っていただける人は①、そこまではできないかもしれないけれど話を聞いてみたい人がいてその人の人生の一端を他の誰かにも読んで貰えたら良いかもと思える方は②の方法でご参加ください。
最終的な文章の量は調整可能です。制作の過程で一緒にちょうどよい文章量を探りましょう。


締切りは、
①編集された文章をお寄せ頂く場合は、2025年6月末日
②音声データもしくは書き起こしの文をお送り頂く場合は、2025年5月末日
※日程的に難しい場合は、ご相談ください。


誰かから話を聞いてそれを文章にまとめてみるという作業をするのが初めてという方にもぜひ参加して頂きたいです。
ご参加頂く方々向けに、3-6月までの間に月に1回程度オンラインで〈進捗報告〉と銘打った雑談会を開催します。インタビューで困っていることや書き起こしや編集で躓いている点を共有し、一緒に悩んだり励ましたりする会です。私自身もこの期間に誰かへインタビューをする予定なので、何かに躓いていると思います。私からレクチャーをするというよりは、互いに話すことでモヤモヤを少し晴らすような雑談会にしたいと思っています。毎月候補日をお送りしますので、参加したい方はぜひ。(強制ではありません。希望者のみです)
一対一、もしくは他の執筆者も一緒にわいわい話すか、お好きな方をお選び頂きます。


興味を持ってくださった方には、ZINEの詳細をお送りしますので「お問い合わせ」よりご連絡頂けると幸いです。詳細を見て、必要な方とはオンラインで一度お話してから参加するかどうかを決めて頂ければと思います。
決断、急ぎません。ご検討ください。


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私の部屋の窓からは遠くの山が見えます。
毎朝カーテンを開けて遠くの山の様子を見るのが日課です。
美しいなと思いながら眺めています。

私の祖母は山奥の集落で生まれ、15歳で街の美容室に就職するまでそこで過ごしました。
山の中で母親と姉弟6人と懸命につくった工夫に充ちた生活の話を聞くのが私の楽しみです。

ばあちゃんから山の話を聞きながら散歩をしていたとき、
私が毎日部屋から眺めているあの美しい山々がばあちゃんとその家族を育んだ山々でもあることに気づきました。
遠くの山が今目の前にいるばあちゃんと繋がり、とても嬉しくなったのを覚えています。

遠くの山に、かつてどのような人が生活し、どんな木が生えていて、山を下るとどんな道に出るのか、私はいつの間にか知っていました。
美しいなと思って眺めているだけだった遠くの山に少し触れられたような気がして、今では美しさだけではない魅力も感じています。
こうやって人は自分にとって活き活きと映る風景を増やしていくのだなと実感しました。

そして、私にとって多くの人が『遠くの山』のような存在だなとも思いました。
確かにそこに在る、そこに居る、感情が動くこともある、けれど知らないことが遙かに多い。
そんな『遠くの山』のような人たちのほんの一部でも知ることができたら、今周りにある風景やこれから歩く道も少し違って見えてほのかに楽しくなりそうです。

私一人では出会うことも話を聞くことも叶わないであろう多くの『遠くの山』を
他の方たちの力をお借りして集め、ささやかなZINEをつくりたいと思っています。

わかりにくいところも多分にあると思うので気軽にお問い合わせください。
よろしくどうぞ、どうぞ。


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募集をするにあたってぐるぐると考え事をしていたら、
姉の家の小人が『遠くの山』と書いてくれました。
素晴らしい字をありがとうございました。

とまれみよ

聞き書き、ZINE制作、イベント企画などを自分の手や目の届く範囲で。