ちいさな箱

「ちいさな箱」ができました。今日から販売を開始します。

「ちいさな箱」には、にしだひろみさんの詩が収められた手づくりの詩集が入っています。
他にも何かを入れられる隙間と供にお届けします。

大切な手紙やあなたのお守りのようなものと一緒に蓋をして、時々こっそり開く。
そんな在り方ができたらとても嬉しいです。

私は詩集の制作や発送などのもろもろを担当しています。

詩集に収められた15編の詩、それぞれに合わせてスタンプを押しています。
詩から感じたことをシンプルなスタンプであらわしました。
どんな形に見えるかは受け取ったその人・その時によって違うかもしれません。

ひろみさんと供にゆっくりつくってきた"秘密の箱"を「ちいさな箱」として手にしたいと思ってくださった方にお届けできるのが楽しみです。


「ちいさな箱」webショップへは こちら からどうぞ。

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『ちいさな箱』
価格:1600円(税込)
2023年8月5日発行
詩:にしだひろみ
制作:よしのさくら
詩集はA6サイズ 20ページ 手製本
箱は幅 110mm 奥行 155mm 高さ 25mm
 詳細は Instagram でも紹介しています。

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この箱ができるまでのことを少し振り返ります。
私がひろみさんと出会ったのは新潟に暮らしていた頃です。
ご本人よりも先に、「いのちへ」(南の風社)という詩集を通してひろみさんの『言葉』に出会いました。本棚の良いところにさして、何かあるとパラパラとめくり、しなやかな言葉に励まされていたのをよく覚えています。

程なくしてご本人とも出会い、いつの間にか思い出がたくさん増えました。
大好きなカフェで朗読会を開いたり、山の中で子どもたちと『学校のようなもの』をつくったり...
穏やかな季節に電車に揺られてひろみさんのところへ遊びに行くのも楽しみでした。
小さな集落で静かに暮らすひろみさんの元で、野草を摘んだり、息子さんと工作をしたり、タンポポ珈琲とお菓子を楽しんだりした帰りにはいつも"良い方へ"進んでいける気がしたものでした。


祖父への聞き書きをまとめたZINE「とまれみよvol.1」が完成したとき、制作中にお世話になったと感じた人へお送りしました。
ひろみさんには制作について相談したことは無かったかもしれませんが、受け取った言葉や気持ちがこのZINEにも深く活きていると感じたのでお送りしました。


それからしばらくして、
ひろみさんから『「とまれみよ」のような詩集がつくりたい』と連絡を頂いたとき、私の心がピクッと動きました。ピクッと動いたら「とまれみよ」の合図です。
ゆっくりと詩集づくりがはじまりました。


ひろみさんとのやり取りは、手紙です。
ふとしたときにお互いに手紙を送りあっていたので、当然のように詩集づくりも手紙で温めていくことになりました。
私にとって手紙は最も気を楽にして連絡できる方法なので、とても自然で心地よい流れでした。


詩集づくりをはじめてしばらく経ってから新型コロナウイルスが流行しはじめ、当たり前の日常がぽろぽろと落ちて扉が塞がっていくのを感じました。
もともと仕事でも生活でもあまり多くの人と会わない日々を過ごしていた私ですら、少しずつ息苦しくなったのを記憶しています。
日常が軋んでいくことに滅入りそうになっていた頃、ひろみさんから届く詩たちは私にとってお守りのような存在でした。
ずっと強く存在しているわけれはないけれど、必要なときにはふーっと浮き立って、ギュッと握ることで安心するお守り。
時には薄紙に包まれ、おめかしした状態でひろみさんから届く詩たちを開けて読むのが楽しみで、この詩集を手にする人たちにも少しでもこの"開けるのが楽しみ"という気持ちを味わって欲しいなと思いました。


最終的に詩集は「ちいさな箱」としてひっそり完成しました。
手づくりの詩集と、他のものが入れられる隙間を『箱』として販売します。
大切な手紙やお守りのようなものを入れてたまに取り出して貰えると、こんなに嬉しいことはないです。
いつもは忘れているけれど、ふと思い出したときに蓋を開けてみる。どんな気持ちになるんでしょうね。

アイデアや気持ちを共有するのも試作を共有するのも、全て郵便屋さんに繋いでいただきました。私たちの間を行き来してくださった皆さんにも大変感謝しています。
たくさんの驚きと癒しをくれる小さな植物にも助けられました。
ひろみさんが生きたしるしとして紡いだ言葉を届ける旅路を伴にできている
この制作期間ですでに充ちている私ですが、少しずつ届けていくのも楽しみです。


まずはwebショップから送り出します。
その後も楽しい旅路を描いていますが、それはまた追々🚶

とまれみよ

聞き書き、ZINE制作、イベント企画などを自分の手や目の届く範囲で。