[寄稿]雑誌「なわない」創刊号

初夏に木舟舎さんから発行された雑誌『なわない』創刊号に聞き書きを寄稿しました。

聞き書きとは「話し手の言葉を録音し、一字一句すべてを書き起こして、ひとつの文章にまとめる手法(環境省_山海ネットより)」です。
私は祖父母を中心に身近な人達へ聞き書きをすることを生活の楽しみとしていて、主に自作のZINEにて発表しています。
今回は初めて自分以外の人が発行するものへ寄稿させて貰いました。

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『なわない』は生活や仕事を「つくる」人たちの、言葉や景色、時間や感性を、インタビューや寄稿作品を通して届けるローカルマガジン。
生活と表現、山とまちを深く長くつないでいくための一つ目の試みです。(木舟舎さんInstagramより)

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「つくる」をテーマに寄せられたエッセイや詩、短歌、小説、インタビュー、イラストなどが集まった雑誌です。その名の通り、いくつもの藁がより合わさってできたようなざらつきとしなやかさのある雑誌だなと思います。

読んでいくうちにやわらかくなって心身に馴染んでいく感じ。
たのしい試みに混ぜて頂けてとても嬉しいです◎


木舟舎の井上有紀ちゃんから寄稿の話を受けて、『なわない』の雰囲気やテーマを教えてもらったときに、ばあちゃんへの聞き書きを寄せたいなと思いました。

山の中の小さな集落で育ったばあちゃんやその家族は、山から食料を集め、畑を耕し、身の周りのものを繕って...生活をつくっていました。ばあちゃんのお母さん、そしてそのまたお母さんは、とにかく何でもつくる人だったそうです。
今回『なわない』に寄稿するにあたってばあちゃんに改めて生活の話を聞いたのですが、
画が浮かぶような愛しい話がいくつもこぼれてきました。

ばあちゃんへの聞き書きはZINE「とまれみよvol.2」にもまとめているのですが、
その中には入っていない話を寄稿したので「とまれみよvol.2」を手にしてくださった皆さんにも楽しんで頂けると嬉しいです。「とまれみよ」シリーズの絵でお馴染み、小谷彩佳氏にばあちゃんの近影も描いてもらったのでそれもお楽しみに。
(よく聞かれるので改めて書いておきますが、彩佳さんはわたしの姉です。毎回とても素敵な絵を描いてくれます)


先日、ばあちゃんに『なわない』を届けたところ、嬉しそうにパラパラめくってくれました。しばらく『なわない』を読むことを生活の楽しみにするとこのこと。
そして「ばあちゃんもなわないしてたよ」と言い、しばらくなわない(藁をより合わせて縄をつくること)について話を聞かせてくれました。

ばあちゃんが生活していたのは林業を生業にする人たちが集まってできた集落だったので、藁がとても貴重で1本たりとも無駄にすることは出来ず、幼い頃は触らせて貰えなかったそう。小学生くらいになってから草履を編むために藁を湿らせて叩いて柔らかくしたりより合わせたりすることも許されるようになったのだとか。勝手に昔は藁が豊富にあったイメージだったけれど、稲作をしていなければ簡単には手に入らないのは今と変わらなかったことを知りました。
『なわない』のお陰でまた新たな視点の聞き書きがはじまりそうです。


『なわない』は新潟の書店やカフェを中心に、関東や福島などのお店でも買えるそうです。直販も可能らしいので気になる方は問い合わせをしてみてください。


そして、新潟のみなさま!
今日から新潟市の BarBookBoxさんで木舟舎さんのフェアがはじまっています◎
お近くの方はこちらもぜひぜひ🦀

雑誌、フェア共々お楽しみください◎


木舟舎さんの投稿の一部をシェアしますね↓↓↓

△▼ 木舟舎フェア@BarBookBox「舟をこぐまで」開催します!△▼
「つくる」がテーマの雑誌なわないに参加してくれた皆さんのつくるものを販売したり、初めてつくった雑誌についてお話したりする時間も含めての、木舟舎フェアです!

〈木舟舎フェア 日時〉※BarBookBoxの営業時間と同じ
7/24(水)13:00-20:00
7/25(木)13:00-19:00 (19:00~飛び入り参加OKの木曜ブッククラブ)
7/26(金)13:00-20:00 (20:00~なわないトークで貸切)
7/27(土)13:00-22:00
7/28(日)13:00-18:00
※土日は在廊予定です!
※駐車場はありませんので、お近くのコインパーキング等をご利用ください。

(「なわない」の最終ページに寄稿した人たちの居住地や活動地が載っているんですが、東北や北陸、東京の人たちが多いので、私のいる宮崎県が離島みたいに切り取られているのが何度見ても面白いです。こちらもご注目ください)

とまれみよ

聞き書き、ZINE制作、イベント企画などを自分の手や目の届く範囲で。